ポイントを貯めるのは、楽しい。
残高が増えていくのを見るのは、もっと楽しい。
昨日より増えた。
先月より増えた。
あと少しで交換できる。
「あと○ポイント!」
そんなことを考えながら、毎日せっせとポイントを集めている。
ポイントサイトを巡回して、アンケートに答えて、キャンペーンを確認する。
数字が少しずつ増えていく。
なんだか小さな貯金箱を育てているようで楽しい。
ただし。
ポイントには罠がある。
有効期限である。
■ 貯めた次は「使わなきゃ」が始まる
期間限定ポイント。
○月末までのキャンペーンポイント。
○月○日までの限定ポイント。
失効予定ポイント。
ポイントを貯めていると、ある日突然この文字が目に入ってくる。
「○月○日まで」
あれ?
さっきまで楽しく貯めていたのに。
今度は使わなければならない。
「あと○ポイント!」
と追いかけていたはずなのに、いつの間にか、
「あと○日しかない!」
に変わっている。
ポイントを貯める。
↓
増える。
↓
嬉しい。
↓
使いたくない。
↓
期限が迫る。
↓
焦る。
↓
「何に使えばいいんだ」
この流れ、何度経験したことだろう。
そして最終的には、コンビニなどで、
「……まあ、これ使うか」
と、本来そこまで急いで必要ではなかったものを買ったりする。
ポイントとは、なんとも不思議な資産である。
■ ポイント、全然自由じゃない
現金なら、基本的には好きなときに好きなものに使える。
もちろんお金にも使用目的や家計上の制約はある。
それでも、1,000円札を持っていて、
「この1,000円、今月末までに使わないと消滅します」
なんてことはない。
ところが期間限定ポイントには期限がある。
さらに、
「この店舗では使えません」
「この商品には使えません」
「○円以上のお買い物で利用できます」
なんて条件がつくこともある。
そこで、ふと思う。
ポイント、全然自由じゃない。
むしろ使い方によっては、
お金より自由度が低い資産
なのではないか。
もちろん、無料でもらったポイントなら、それでも十分ありがたい。
ありがたいのだが。
ありがたいからこそ、失効させたくない。
そして失効させたくないから、今度は使うことに追われる。
貯めるのが好きな人間にとって、これはなかなかの罠である。
■ その点、dポイントはありがたい
そんな期間限定ポイントに追われる人生を送っている筆者が、個人的に相性がいいと思っているのがdポイントとマネックス証券である。
期間限定のdポイントでも、投資に使うことができる。
これはかなりありがたい。
「使わなきゃ」
と思っていたポイントを、投資に回せる。
もちろんポイント投資なので金額自体は小さい。
それでも、
「期限が来る前に何を買おう」
と悩むより、
「じゃあ投資に回しておこう」
とできるのは気持ちが楽である。
ポイントの自由度が、少しだけ上がったような感覚がある。
ポイントを貯めるのが好きな人間にとって、期限を気にせず逃がせる場所があるのは非常に助かる。
■ 株主優待にも似たようなところがある
そして、この「期限に追われる」という話をすると、どうしても思い出す人がいる。
桐谷さんである。
株主優待を使い切るため、自転車で街を駆け回る姿をテレビで見たことがある人も多いと思う。
筆者も以前は、
「桐谷さん、すごいなあ」
くらいに思っていた。
株主優待を使うために、そこまで奔走するのか。
有効期限を確認して、利用できる店舗を探して、予定を組んで。
なんだか大変そうだな、と。
しかし。
ある日、期間限定ポイントの期限を確認しながらコンビニに向かう自分に気づいた。
「このポイント、今月末までなんだよな……」
「何に使おうかな……」
「せっかくだからポイントで払えるものを……」
そして、ふと思う。
……私もやってること、ちょっと桐谷さんじゃん。
■ 貯めるのが好きな人ほど、期限に弱い
考えてみれば当然なのかもしれない。
貯めることが好きな人は、使うことに慎重になる。
せっかく貯めたものを、簡単には減らしたくない。
ポイント残高が増えるのは嬉しい。
でも、使えば減る。
だから使いたくない。
ところが期限は待ってくれない。
残高が増える喜びを味わっていたら、今度は失効日が近づいてくる。
「せっかく貯めたんだから、ちゃんと使いたい」
という気持ちまで出てくる。
結果として、ポイントを使うための行動が始まる。
これはもう、貯めるゲームだけではない。
最後には、
「いかに無駄なく使い切るか」というゲーム
まで待っている。
■ ポイントは自由なお金ではない
ポイントは、お金の代わりとして使える。
でも、お金そのものではない。
有効期限がある。
使える場所が限られる。
利用条件がある。
場合によっては、使うためにわざわざ買い物をすることになる。
そう考えると、ポイントは「お金よりちょっと不自由な資産」なのかもしれない。
だからこそ、ポイントを貯めるときには、
「どれだけ増やせるか」
だけではなく、
「ちゃんと使い切れるか」
まで考えておきたい。
せっかく集めたポイントを、期限に追われながら慌てて消費するのは少しもったいない。
とはいえ。
ポイント残高が増えていると、どうしても嬉しくなってしまう。
そして期限が近づいて、
「何に使おう……」
と悩む。
また貯める。
また期限が来る。
また使う。
ポイントとは、貯めるゲームであり、最後には使うゲームでもある。
そして今日も筆者は、失効予定ポイントを確認する。
桐谷さんを笑えない。
筆者もまた、有効期限に追われている。

