配当金をもらうようになって変わった投資への考え方

投資・優待

初めて配当金が振り込まれたときのことは、今でも覚えている。

金額はたいしたことがなかった。

数百円だったかもしれないし、数千円だったかもしれない。

それでも、通帳や証券口座に表示されたその数字を見て、少し不思議な気持ちになった。

「お金って、働いてくれるんだ!」

これが、筆者の第一印象だった。

今思えば、かなり素朴な感想である。

しかし、筆者にとっては、いい意味でショッキングな出来事だった。

お金は「働いて得るもの」だと思っていた

筆者はバブル崩壊後に生まれた。

郵便貯金の金利が6%を超えていた時代なんて知らない。

銀行にお金を預けているだけで、面白いように利息がつく。

そんな世界を経験したことがない。

だから、筆者の中で「お金を得る」ということは、基本的に労働とセットだった。

働く。

その対価として給料をもらう。

もっとお金が欲しければ、もっと働く。

もちろん、貯金をすれば多少の利息はつく。

しかし、それは「お金が働いている」という感覚とは程遠かった。

お金は自分が働いて得るもの。

それが、筆者にとって当たり前の価値観だった。

ところが、株を買ってみる。

すると、企業が利益を出す。

その利益の一部が株主に還元される。

そして、自分の口座に配当金が振り込まれる。

「あれ?」

自分はその時間、働いていない。

それなのに、お金が増えている。

もちろん、元本割れのリスクもあるし、企業が永遠に利益を出してくれる保証もない。

それでも、「お金を生み出すものを持つ」という考え方を初めて実感した瞬間だった。

筆者の価値観が少しシャッフルされた

配当金を受け取るようになってから、お金に対する見方が少し変わった。

これまで、

「自分が働く→お金をもらう」

だったものが、

「自分が働く→お金を貯める→そのお金にも働いてもらう」

という考え方になった。

これは筆者にとってかなり大きな変化だった。

もちろん、株を持っているだけで何もせず大金が手に入る、という話ではない。

株価は下がることもある。

配当金が減ることもある。

会社がなくなることだってある。

それでも、自分の労働だけに頼らず、お金にも働いてもらうという発想を知ったことは大きかった。

投資を始める前と後では、お金の見え方が少し違っている。

「株主を大切にする会社」に投資したい

そして、配当金を受け取るようになってから、投資したい会社についても考え方が変わった。

せっかくなら、株主を大切にしてくれる会社に投資したい。

もちろん、配当利回りが高ければ何でもいいというわけではない。

無理をして配当金を出している会社よりも、きちんと利益を出して、その中から株主にも還元してくれる会社のほうが安心できる。

筆者にとって理想的なのは、増収・増益・増配。

そして配当性向は40%程度。

もちろん、これは絶対的な条件ではない。

業種によっても適正な配当性向は違うし、企業の成長ステージによっても事情は変わる。

それでも、

「利益が増える」

「会社が成長する」

「その一部を株主にも還元してくれる」

という循環は、とても美しいと思う。

「おこぼれをいただく」くらいの気持ち

個別株を買うようになって、企業の決算資料を見る機会も増えた。

会社を経営している人たちがいて、従業員が働いていて、商品やサービスを提供して、利益を生み出している。

その会社の株を少しだけ持っている。

そして、利益の一部を配当金としていただく。

筆者は、この感覚を大切にしている。

自分が会社を経営しているわけではない。

その会社で働いているわけでもない。

ただ、株主として少しだけ参加させてもらっている。

だから、配当金を受け取るときも、

「当然もらえる権利だから!」

というより、

「素晴らしい会社のおこぼれを、少し分けてもらっている」

くらいの謙虚な気持ちでいる。

もちろん、株主として権利を持っている以上、企業にはしっかり利益を出してもらいたい。

しかし、それと同時に、企業が利益を生み出していることそのものへの敬意も持っていたいと思っている。

無理をしない会社が好きになった

配当金投資をするようになって、企業を見るときに「今の配当利回り」だけを見ることもなくなった。

大切なのは、その配当を今後も無理なく続けられるのか。

利益は安定しているのか。

借金が多すぎないか。

本業できちんと稼げているのか。

配当を出すために、会社の成長に必要なお金まで無理に株主へ還元していないか。

そんなところも気になるようになった。

「高配当だから買う」ではなく、

「この会社なら、10年後も株主に利益を還元してくれそうだ」

と思える会社を持ちたい。

これが、配当金を受け取るようになってからの大きな変化である。

配当金は「労働以外の収入」を実感させてくれた

今では年間の配当金も、それなりの金額になった。

毎月給料をもらうのとは違う。

何もしなくても毎月一定額が振り込まれるわけでもない。

それでも、年に何度か配当金が入ってくる。

そのたびに、

「自分のお金が少し働いてくれたんだな」

と思う。

これは、金額以上に嬉しい。

そして、そのお金を再投資に回すこともあれば、家族との食事やちょっとした楽しみに使うこともある。

自分が働いて得た給料とは、少し違った感覚がある。

お金にも働いてもらう

投資を始める前の筆者は、お金を増やすためには自分が働くしかないと思っていた。

今でも、働くことは大切だと思っている。

しかし、それだけではない。

自分が働いて得たお金を、今度は資産として働かせる。

そして、その資産が生み出した利益の一部を受け取る。

この仕組みを知ったことで、筆者のお金に対する価値観は大きく変わった。

配当金そのものは、決して魔法のお金ではない。

その裏側には、利益を生み出している企業がある。

だからこそ、無理なく利益を生み出し、株主にも還元してくれる会社を応援したい。

そして、その恩恵を少しだけ分けてもらう。

筆者にとって配当金とは、単なる「不労所得」という言葉だけでは片付けられないものになった。

「お金にも働いてもらう」という、新しい価値観を教えてくれたもの。

それが、筆者にとっての配当金なのである。

今日も配当金が入るたびに、少しだけ嬉しくなる。

そして心の中で、

「今回もありがとう。これからも頑張ってね」

と、株を持っている会社にそっと声をかけている。

▶︎関連記事:

配当金が年40万円になって変わったこと

配当生活というほどではないけど、毎年ちょっと助かっている話

タイトルとURLをコピーしました