自社製品は裏切らない。株主優待を選ぶときに考えていること

投資・優待

株主優待には、いろいろな種類がある。

QUOカード。

ギフトカード。

自社店舗で使える商品券。

そして、自社製品そのもの。

筆者もこれまで、さまざまな株主優待を受け取ってきた。

その中で最近、なんとなく安心感を持っているのが「自社製品」の株主優待である。

もちろん、自社製品だから絶対に廃止されない、という意味ではない。

株主優待は企業の制度なので、業績や経営方針が変われば廃止されることもある。

それでも筆者は、株主優待銘柄を見るときに、

「この優待は、会社にとって続ける意味があるのだろうか?」

と考えるようになった。

その視点で見ると、自社製品の優待はなかなか面白い存在なのである。

QUOカードは便利。でも企業側から見ると?

株主優待として人気があるものの一つに、QUOカードがある。

もらう側からすれば、非常に便利だ。

コンビニなどで使える。

使い道に困りにくい。

金券なので、株主にとっては分かりやすいメリットがある。

筆者もQUOカードをもらえば普通に嬉しい。

ただ、企業側の立場になって考えてみる。

QUOカードを配ったからといって、その会社の商品を知ってもらえるわけではない。

もちろん株主への還元という意味はある。

しかし、企業にとっては基本的に「株主に何かを配るためのコスト」になりやすい。

そう考えると、業績や株主構成、株主還元方針が変わったときに、

「この優待、なくしてもいいのでは?」

となる可能性はある。

実際、近年は株主優待制度を廃止したり、配当による還元へ切り替えたりする企業もある。

筆者自身も、株主優待の廃止を経験してきた。

自社製品なら、会社にもメリットがある

一方、自社製品の株主優待は少し事情が違う。

例えば食品メーカーなら、自社の商品を株主に送る。

飲料メーカーなら、自社の飲料を送る。

化粧品メーカーなら、自社の化粧品を送る。

これなら、株主は商品を実際に使うことになる。

そして、その商品を知らなかった株主が、

「この商品、意外といいな」

と思うかもしれない。

家族や友人に紹介するかもしれない。

スーパーやドラッグストアで見かけたときに、手に取るようになるかもしれない。

つまり、自社製品の優待には、単純な株主還元だけではなく、

商品の宣伝

という意味もある。

企業からすれば、株主に商品を知ってもらう機会になる。

そう考えると、自社製品の優待は「株主に配って終わり」という制度ではない。

自社のファンを増やすためのマーケティング施策としても機能する可能性がある。

「配る理由」がある優待は強い

筆者が株主優待を見るときに、最近意識しているのがこの部分だ。

「株主にとってお得か?」

だけではなく、

「会社は、なぜこれを配っているのか?」

を考える。

例えば自社製品なら、

「実際に商品を使ってもらいたい」

「自社の商品を知ってもらいたい」

「株主をファンにしたい」

という理由が考えられる。

会社側にもメリットがある。

そういう優待なら、企業にとっても続ける意味があるのではないか。

もちろん、それでも廃止されるときは廃止される。

「自社製品だから安心」と思い込むのは危険だ。

ただ、少なくとも制度の存在理由が見えやすい。

筆者にとっては、そこが大きい。

実際、優待廃止を経験した

筆者はこれまで、株主優待の廃止によって保有株を手放した経験もある。

当時は、

「優待がなくなった。じゃあ売ろう」

と、かなり単純に考えていた。

今振り返ると、少しもったいなかったかもしれない。

優待を廃止した分、配当に還元される可能性もある。

会社の業績や財務状況を見れば、優待廃止後も保有する理由が残っていた可能性もある。

しかし当時の筆者には、そこまで決算資料などを読み込んで判断する力がなかった。

その経験から、株主優待はあくまでも「オマケ」と考えるようになった。

優待だけを見て飛びつかない。

優待がなくなったとしても、その会社を持ち続けたいと思えるか。

そこを考えるようになった。

優待を「会社との関係」で考える

そう考えると、自社製品の優待は少し面白い。

株主に商品を配る。

株主が商品を使う。

商品を気に入る。

会社のファンになる。

そして、長く株を持ってもらう。

企業側から見ても、こうした循環が生まれる可能性がある。

もちろん、実際にどの程度の宣伝効果があるのかは企業によって違うだろう。

だから、

「自社製品優待なら必ず継続する」

なんてことは言えない。

ただ、筆者は優待の裏側にある企業側の意図を考えるようになった。

これは投資を続けてきて、少しずつ身についた視点なのかもしれない。

優待利回りだけを見ない

株主優待銘柄を探していると、

「配当利回り○%+優待利回り○%=総合利回り○%!」

という数字が目に入る。

数字としては非常に分かりやすい。

筆者も投資を始めた頃は、こういう数字に惹かれていた。

でも、株主優待はずっと続くとは限らない。

会社の経営方針が変われば廃止される。

条件が変更されることもある。

だから最近は、

「総合利回りが高いから買おう」

だけではなく、

「この会社は、なぜこの優待を出しているのだろう?」

と一歩立ち止まる。

自社製品なら、

「この商品を株主に使ってもらうことが会社のメリットにもなっているのかな」

と考える。

それだけでも、優待銘柄の見え方が少し変わってくる。

自社製品は「裏切らない」と思いたい

もちろん、タイトルの「自社製品は裏切らない」は、半分くらい冗談である。

自社製品だって、廃止されるときは廃止される。

優待制度に絶対はない。

それでも筆者は、自社製品を使った優待には、金券系とは違った魅力があると思っている。

企業にとって、自社商品の宣伝になる。

株主にとっては、商品を試すきっかけになる。

そして、商品を気に入れば、その企業への愛着も生まれる。

株主優待という制度を通じて、企業と株主の距離が少し近くなる。

そんな仕組みは、長く続ける理由を作りやすいのではないかと思う。

最後は「優待がなくても持てるか」

とはいえ、最終的に筆者が一番大切にしているのは、

「この優待がなくなっても、この会社を10年持てるか?」

ということだ。

優待はあくまでもオマケ。

会社そのものに魅力がなければ、優待だけを理由に長期保有するのは難しい。

逆に、会社そのものが好きで、業績や財務にも納得しているなら、優待がなくなっても持ち続けられる。

自社製品の優待は、その判断をするうえでのプラスアルファ。

「優待があるから買う」のではなく、

「この会社なら持ちたい。しかも、自社製品の優待まである」

くらいが、筆者にとってはちょうどいい。

株主優待は、いつまでも同じ形で続くものではない。

だからこそ、目先の利回りだけではなく、その優待が企業にとってどんな意味を持っているのかを見る。

そして最後は、優待を取り払った状態でも、その会社を持ちたいと思えるか。

これからもそんな視点で、株主優待と付き合っていきたいと思っている。

自社製品は、たぶん、ちょっとだけ裏切りにくい。

少なくとも筆者は、そんなふうに思っている。

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