アンケートサイトを長く利用していると、画面を見た瞬間に「あっ……」と思う瞬間がある。
それが巨大マトリクスである。
縦にも長い。
横にも長い。
同じような質問が延々と並んでいる。
そしてスマートフォンの画面いっぱいに、小さな選択肢がぎっしり詰まっている。
アンケート回答者の中には、この画面を見ただけで静かに心が折れる人も少なくないのではないだろうか。
■ 見た瞬間に分かる「長いやつだ」
アンケートは最初の数問では内容が分からないことが多い。
性別。
年齢。
職業。
家族構成。
ここまではいつもの流れである。
しかし途中で突然現れる。
「以下の項目について、それぞれお答えください。」
そして画面いっぱいに広がる表。
スクロール。
まだ続く。
さらにスクロール。
まだ終わらない。
その瞬間、「今日は長いやつだ」と悟る。
■ なぜ巨大マトリクスはつらいのか
別に難しい質問ではない。
むしろ内容は単純なことが多い。
- とてもそう思う
- ややそう思う
- どちらともいえない
- あまりそう思わない
- まったくそう思わない
これを何十項目も繰り返す。
しかし、人間の集中力は思った以上に消耗する。
同じ作業が続く。
終わりが見えない。
どこまで進んだか分からない。
スマホだと横にスクロールしなければならないこともある。
質問内容よりも、作業量そのものに疲れてしまう。
■ 最初ならまだ逃げられる
実は巨大マトリクスにもまだ優しいパターンがある。
アンケート開始直後に出てくる場合である。
「あ、これは長そうだな」
そう判断できる。
時間がない時なら閉じることもできる。
後回しにすることもできる。
まだ傷は浅い。
問題は別のパターンである。
■ 中盤や終盤で現れる巨大マトリクス
これが本当に苦しい。
すでに10分近く回答している。
何ページも進んでいる。
もう終盤だと思っている。
あと少しだと思っている。
そのタイミングで現れる。
巨大マトリクス。
しかも二画面分。
場合によっては三画面分。
この時、人はアンケートをやめられなくなる。
■ サンクコストという罠
ここで働くのが、いわゆるサンクコストである。
ここまで回答した。
時間を使った。
今さらやめるのはもったいない。
だから苦しみながら続ける。
正直に言えば、途中から内容を考える余裕も少なくなっている。
「まだ終わらないのか」
「あと何問だろう」
そんなことばかり考えてしまう。
しかし引き返せない。
ここまで来たから。
アンケートの巨大マトリクスは、回答者の心理をよく理解しているようにも見える。
■ 育児中の巨大マトリクスはさらに危険
子どもが寝た。
ようやく少し自由時間ができた。
アンケートを始める。
順調に進む。
あと少しだと思う。
そこに現れる巨大マトリクス。
この時に頭をよぎるのは、
「子どもが起きる前に終わるだろうか」
ということである。
育児中の10分は意外と短い。
アンケートに集中できる時間も限られている。
だからこそ、終盤の巨大マトリクスは精神的なダメージが大きい。
■ 回答品質とのジレンマ
もちろん調査する側にも事情はある。
細かく聞きたい。
複数の商品を比較したい。
利用実態を知りたい。
そのためにはマトリクス形式が効率的なのだろう。
しかし回答者側からすると、疲労が蓄積する。
集中力も落ちる。
後半になるほど適当に回答したくなる誘惑も出てくる。
つまり、あまりに大きなマトリクスは回答品質にも影響するのではないかと思うことがある。
■ 「あと何問ですか」を教えてほしい
個人的にありがたいのは進捗バーである。
あと20%。
あと10%。
終わりが見えるだけで頑張れる。
しかし巨大マトリクスの中には、終わりが見えないものも少なくない。
スクロールしてもまだ続く。
その先にもまだある。
「あと何問なのか」
これが分からないこともまた、心を折る原因なのだと思う。
■ それでも回答してしまう
それでも筆者は今日もアンケートに答えている。
高ポイント案件につながるかもしれない。
座談会の対象になるかもしれない。
そう思うと、つい最後まで進んでしまう。
巨大マトリクスを前に少しだけため息をつきながら。
そして回答を終えた時、小さな達成感もある。
「今回は最後までたどり着いた」
アンケートポイ活とは、ポイントを貯める趣味であると同時に、ときどき自分の忍耐力を試される趣味なのかもしれない。
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