最近、株価を見ていると思うことがある。
「もし、ここからリーマン・ショック級の暴落が来たらどうするんだろう」
今は株式市場が好調で、投資を続けている筆者にとってもありがたい状況だ。
含み益が増える。
配当金も少しずつ増える。
投資信託も順調に育っている。
こういうときは、つい「このまま増えていったらいいな」と思ってしまう。
しかし、株式投資をしている以上、いつか大きな暴落がやってくる可能性はある。
そして、そのときに自分がどうなるのか。
たまに想像するのである。
■ もし資産が半分になったら
例えば、リーマン・ショックのような大暴落が起きたとする。
株価が大きく下落し、投資信託も個別株も軒並み含み損。
そして、今まで積み上げてきた資産が、画面上では半分になっていた。
これは普通に怖い。
「長期投資だから大丈夫」
「株価はそのうち戻る」
そんな言葉を今なら言える。
でも、実際に自分の資産が半分になった画面を見たとき、本当に冷静でいられるのかは分からない。
たぶん一度は落ち込む。
いや、かなり落ち込むと思う。
これまでコツコツ積み上げてきたものが、一気に減っているのだから。
「昨日まであった含み益はどこへ行った?」
くらいは思うかもしれない。
■ だからこそ、今のうちに考えておく
暴落が来てから「どうしよう」と考えるのでは遅い。
もちろん、実際の暴落は想像通りにはならない。
株価がどこまで下がるのかも分からないし、いつ回復するのかも分からない。
だから、今のうちに自分なりのルールを考えておきたい。
まず一つ目は、近いうちに使うお金を株式に入れすぎないこと。
暴落そのものより怖いのは、暴落したタイミングで現金が必要になることだと思っている。
「今売ったら大損だけど、家のお金が必要だから売らなければならない」
これはかなり苦しい。
株価が戻るまで何年でも待てるお金と、数年以内に使う予定のお金は、できるだけ分けておきたい。
投資には「待てる」ということが、かなり重要だからだ。
■ 二つ目は、株価を見すぎない
これは以前から意識していることでもある。
含み損に慣れるまでに筆者がやったことは、株価を見ないことだった。
証券アプリを開かない。
Yahoo!ファイナンスの掲示板を見ない。
暴落を煽るようなYouTubeを見ない。
これだけでも、かなり違う。
暴落すると、SNSにはたくさんの情報が流れてくる。
「まだ下がる」
「○○ショックが来る」
「今すぐ売るべき」
そんな言葉を毎日浴びていたら、冷静でいられるほうが難しい。
株価が下がっているときほど、情報を取り入れすぎない。
これは筆者にとってかなり大事なルールになっている。
■ 三つ目は、「なぜ買ったのか」を思い出す
暴落したとき、一番確認したいのは株価ではない。
「この会社をなぜ買ったのか」
ということだ。
業績が悪化したのか。
財務に問題が出たのか。
配当方針が変わったのか。
それとも、会社には特に問題がないのに、市場全体が暴落しているだけなのか。
ここは分けて考えたい。
市場全体が下がっているだけなら、慌てて売る必要はないかもしれない。
一方で、自分がその会社を買った理由そのものが崩れているなら、話は別だ。
「長期投資だから絶対に売らない」
というのも違うと思う。
大切なのは、暴落しているという理由だけで判断しないこと。
■ それでも買い増せるのか
そして、暴落時に一番悩みそうなのがこれだ。
「今なら安い。買うべきなのか?」
株価が半分になった銘柄を見たら、買いたくなるかもしれない。
でも、暴落の最中は「半分になったから底」とは限らない。
さらに半分になる可能性だってある。
だから、余剰資金があるからといって、一気に全額投入するつもりはない。
少しずつ買う。
あるいは、いつも通り投資信託を積み立てる。
個別株については、企業の状況を確認してから考える。
「安くなったから買う」のではなく、
「安くなっても、この会社を持ちたいと思えるか」
を考えたい。
■ 筆者は本当に耐えられるのか
ここまで偉そうに書いてきたけれど、正直に言う。
実際にリーマン級の暴落が来たとき、筆者が平然としていられる自信はない。
投資を始めてからそれなりに年月は経った。
含み損も経験した。
株価が大きく下がった銘柄を持ったこともある。
それでも、今まで経験したことのない規模の暴落が来たら、どうなるかは分からない。
もしかしたら証券アプリを閉じたあと、しばらく布団の中で落ち込むかもしれない。
「もう株なんて知らん!」
と言ってしまうかもしれない。
でも、たぶん一晩寝たら、
「さて、どうするか」
と考えると思う。
完璧に冷静でいる必要はない。
怖いものは怖い。
落ち込むのも仕方ない。
そのうえで、売るのか、持つのか、買うのかを考えればいい。
■ 暴落に耐えられる金額だけ投資する
結局、暴落への備えとして一番大事なのは、投資の知識だけではないのかもしれない。
「資産が半分になっても生活できる状態を作っておくこと」
だと思う。
生活防衛資金を確保する。
近いうちに使うお金を投資に回しすぎない。
余裕資金で長期投資をする。
これができていれば、株価が下がったからといって、明日明後日の生活まで困るわけではない。
株価が戻るまで、何年でも待てる。
その「待てる状態」を作ることこそ、長期投資では重要なのだと思う。
■ おわりに
株式投資をしている以上、大きな暴落を完全に避けることはできない。
いつ来るのかも分からない。
だから筆者は、暴落が来ないことを願うよりも、
「来たらどうするか」
を考えておきたい。
たぶん、最初は落ち込む。
たぶん、怖くなる。
それでも、株価だけを見て判断しない。
SNSに踊らされない。
自分が買った理由を確認する。
生活に必要なお金には手をつけない。
そして、余裕があるなら淡々と積み立てる。
そんなふうに、暴落が来ても「何もできない状態」にはならないようにしておきたい。
いつか本当に、資産が大きく減る日が来るかもしれない。
そのときに、
「こんなことになるなんて思わなかった!」
ではなく、
「まあ、こういうこともあるよね」
と言える自分でいたい。
……と言いつつ、実際に半分になったら泣いてるかもしれない。
投資家だって人間なのである。

