※ワルプルギスの廻転のネタバレは一切含んでおりません。ご安心ください。
投資を始めてから、世の中にあるいろいろなものを「これ、投資に置き換えたらどうなるんだろう」と考えるようになった。
企業の決算資料を読んでいてもそうだ。
「この会社は何を目的にこの事業をやっているんだろう」
「この仕組みで誰が得をするんだろう」
「表に出ている条件だけを見て判断していいのかな」
そんなことを考える。
そして最近、ふと思った。
これって『魔法少女まどか☆マギカ』にも通じるのではないか。
もちろん、まどマギは投資アニメではない。
しかし、初期の物語を見ていると、「相手が提示している条件だけを見て判断してはいけない」という、投資にも通じる教訓があるように思えてならない。
条件が良すぎるときほど、一度立ち止まる
投資をしていると、ときどき非常に魅力的な銘柄に出会う。
配当利回りが高い。
株主優待も豪華。
業績も良さそう。
PERも低い。
PBRも低い。
「これ、買わない理由なくない?」
そんな気持ちになる。
しかし、そこで一度立ち止まる。
なぜ、そんなに条件がいいのだろう。
これは筆者が個別株を選ぶときにかなり意識していることだ。
市場にはたくさんの投資家がいる。
プロもいる。
機関投資家もいる。
当然、筆者よりずっと詳しい人たちもいる。
そんな市場で、誰が見ても明らかにお買い得なものが、いつまでも放置されているとは限らない。
「高配当だからお得!」
だけではなく、
「なぜ高配当なのか?」
まで考える必要がある。
相手にも「目的」がある
まどマギを見ていて印象的なのは、契約を持ちかける側にも当然ながら目的があるということだ。
これは投資でも同じだと思う。
企業が株主優待を実施する。
なぜだろう。
株主に喜んでもらいたいから?
もちろん、それもあるだろう。
しかし、それだけではない。
自社の商品を知ってもらいたい。
長期保有してもらいたい。
株主数を増やしたい。
個人投資家に自社を知ってもらいたい。
企業側にも、それを実施する理由がある。
配当だって同じだ。
なぜこの会社は配当を出しているのか。
なぜこの水準なのか。
利益に対して無理のない配当なのか。
企業側の事情まで考えてみる。
そうすると、単に「配当利回り4%!」という数字を見るのとは違った景色が見えてくる。
「もらえるもの」だけを見ない
投資初心者の頃の筆者は、かなり単純だった。
高配当なら嬉しい。
優待が豪華なら嬉しい。
株価が安ければお買い得。
もちろん、それ自体は間違いではない。
しかし、株主優待をいくつか経験してきたことで、少し考え方が変わった。
株主優待は廃止されることがある。
実際に筆者も、優待廃止を経験して銘柄を手放したことがある。
だから今では、優待はあくまで「おまけ」と考えるようになった。
その会社に投資する理由が、優待だけになってしまってはいけない。
これは、まどマギから得られる教訓と似ている気がする。
提示された条件だけを見て契約してはいけない。
その条件の裏側に何があるのか。
相手は何を求めているのか。
自分は何を差し出すことになるのか。
投資でも、そこを考えることが大切なのだと思う。
「この会社を10年持てるか?」
では、筆者が実際に個別株を選ぶとき、最終的に何を見るのか。
一番大きいのは、
「この会社を10年持てるか?」
という問いである。
もちろん、10年後のことなんて誰にも分からない。
10年後にどんな社会になっているかも分からない。
それでも、自分がその会社にお金を預ける以上、
「今、株価が上がりそうだから」
だけではなく、
「この会社の事業そのものを応援したいと思えるか」
を考える。
ブランド力がある。
ニッチな分野でトップを取っている。
参入障壁が高い。
安定して利益を出している。
株主還元にも無理がない。
そんな会社なら、多少株価が下がったとしても、すぐに「失敗した」とは思わないかもしれない。
投資は「契約」に少し似ている
株を買うというのは、企業の一部を所有することだ。
自分のお金を企業に託して、その企業の成長や利益の恩恵を受ける。
そう考えると、投資は少しだけ「契約」に似ている。
だからこそ、契約内容をよく確認したい。
表面上の条件だけではなく、その裏側まで見る。
会社はどうやって利益を生み出しているのか。
その利益は今後も続くのか。
株主還元は無理をしていないか。
借金は多すぎないか。
経営陣は何を目指しているのか。
そして何より、
「自分はこの会社を信じて、お金を預けられるだろうか」
と考える。
だから「おいしい話」ほど調べる
投資をしていると、どうしても「おいしい話」に目が行く。
高配当。
低PER。
豪華優待。
大幅増益。
株価急落。
「これはチャンスでは?」
そう思うこと自体は悪くない。
むしろ、そこから企業を調べるきっかけになる。
ただし、そこで飛びつかない。
なぜこの条件になっているのか。
何か見落としているものはないか。
自分が知らないリスクはないか。
一度立ち止まる。
筆者は投資を始めてから、少しずつそういう癖がついてきた。
「何を得るか」より「何を預けるか」
まどマギを見ていると、つい「何をもらえるのか」に目が向いてしまう。
しかし、投資で大切なのは、それだけではない。
「この株を買えば何%の配当がもらえる」
ではなく、
「自分はこの会社に大切なお金を預けるのだ」
と考えてみる。
そうすると、見なければならないものが変わってくる。
配当利回りだけではない。
優待だけでもない。
目先の株価だけでもない。
その会社が何をしているのか。
どうやって利益を生み出しているのか。
どんな未来を目指しているのか。
そして、その会社と長く付き合っていけるのか。
おわりに
『魔法少女まどか☆マギカ』から投資を学ぶ。
こう書くと、いったい何の話なのかと思われるかもしれない。
筆者も最初は完全にただの連想ゲームだった。
しかし、投資を続けていると、意外なところから投資の教訓が見つかるものだ。
魅力的な条件を提示されたときほど、一度立ち止まる。
相手にも目的があることを忘れない。
表面上の数字だけではなく、その裏側を見る。
そして、自分が何を得るのかだけではなく、何を預けるのかを考える。
これは、投資対象を選ぶうえで大切な姿勢だと思っている。
何より筆者は、今後も「これはおいしい!」と思った銘柄に出会ったときほど、ちょっとだけ疑ってかかりたい。
契約する前に、もう一度よく考える。
それくらい慎重でちょうどいい。
……そう考えると、投資家に必要なのは魔法ではなく、契約書をちゃんと読む力なのかもしれない。

