投資をしていると「現金を持っているのも投資」だと思えるようになった

投資・優待

投資を始めた頃、現金を持っていることに少し罪悪感があった。

銀行口座にお金が残っている。

証券口座にも買付余力がある。

でも、そのお金は株にも投資信託にもなっていない。

「このお金も投資に回したほうがいいんじゃないか」

そんなふうに考えていた。

せっかく投資をするなら、できるだけ市場にお金を置いておきたい。

現金で持っているだけでは増えない。

だったら投資してしまったほうがいい。

以前はそんな考え方だった。

ところが、投資を続けていると少しずつ考え方が変わってきた。

今では、

現金を持っていることも、ひとつの投資だと思っている。

■ 暴落したときに買うためのお金

まず大きいのが、暴落待ちの資金。

株価はいつ下がるか分からない。

「○%下がったら買おう」と思っていても、そのタイミングが来るとは限らない。

逆に、何年も上がり続けたあとに突然大きく下がることもある。

そんなとき、手元に現金があれば動ける。

もちろん、暴落したからといって何でも買えばいいわけではない。

でも、

「この会社がこの株価なら欲しい」

と思っていた銘柄が大きく下がったときに、買える余力があるのは強い。

現金を持っているということは、未来の買い場に参加する権利を持っているようなものなのだと思う。

■ 生活防衛資金は、そもそも投資とは別物

もうひとつは生活防衛資金。

これは「暴落したら買うためのお金」とは違う。

何かあったときに、投資資産を売らなくても生活できるようにしておくためのお金である。

投資をしていると、つい資産全体を増やしたくなる。

株や投資信託の評価額が増えていると、

「もっと投資に回せるんじゃないか」

と思ってしまう。

でも、生活に必要なお金まで投資してしまうと、相場が悪いときに困る。

株価が大きく下がっているときに、

「生活費が必要だから売らなきゃ」

となってしまったら、投資どころではない。

だから、すぐに使う可能性があるお金は現金で持っておく。

これは投資をしないという選択ではなく、投資を続けるための土台を作ることなのだと思う。

■ ウォッチリストが下がってきたときにも使える

そして個人的に好きなのが、これ。

「ずっと欲しかった株が下がってきたときのお金」である。

普段からウォッチリストに入れている銘柄がある。

「この会社は好きだけど、今の株価ではちょっと高いな」

と思って見送っている株だ。

ところが、相場が悪くなって株価が下がる。

すると、

「……きた?」

となる。

ここで現金があると嬉しい。

普段から買付余力を残しておけば、チャンスが来たときに慌てなくて済む。

もちろん、実際にはさらに下がることもある。

「もっと下で買えたじゃん!」

となることもある。

それでも、自分が納得できる価格まで下がったときに買える選択肢があること自体が大切なのだと思う。

■ 現金があると、精神的にも違う

そして、投資を続けるほど実感するのがこれ。

現金があると、精神的にかなり楽。

株価が下がったとき。

含み損が増えたとき。

市場全体が荒れているとき。

そんなときでも、手元に現金があると、

「まあ、まだ大丈夫」

と思える。

逆に、資産のほとんどを株や投資信託にしてしまうと、評価額の変動がそのまま自分の資産の変動になる。

もちろん、長期投資なら一時的な値下がりは気にしなくていい。

頭では分かっている。

でも、人間なので気になるものは気になる。

だから筆者は、現金を「何もしていないお金」だとは思わなくなった。

むしろ、相場が荒れたときに自分を落ち着かせてくれる、かなり重要な資産である。

■ 現金にも「仕事」がある

以前は、

株を買う=働いているお金

現金で持つ=眠っているお金

くらいに考えていた。

でも今は違う。

生活防衛資金として生活を守る。

暴落時の買付資金としてチャンスを待つ。

ウォッチリストの銘柄が下がったときに出動する。

そして、相場が荒れているときに精神的な余裕を作る。

こう考えると、現金にもちゃんと仕事がある。

投資資産のように毎日評価額が増えるわけではない。

配当金も生まない。

それでも、自分の投資を支える役割を果たしている。

■ 「全部投資する」が正解ではない

投資を始めると、

「余っているお金は投資したほうがいい」

という考え方になりやすい。

もちろん、長期的に使う予定のない余剰資金を投資することは大切だと思う。

ただ、だからといって現金をゼロにする必要はない。

どのくらい現金を残すのが適切なのかは、人によって違う。

生活費。

家族構成。

収入の安定性。

投資経験。

リスクへの耐性。

これらによっても変わってくる。

大事なのは、

「現金を持っている=投資できていない」

と決めつけないことなのだと思う。

■ おわりに

投資を始めた頃は、現金を見ると「まだ投資していないお金」に見えた。

今は少し違う。

現金は、未来のために待機しているお金だと思っている。

暴落が来たときに使うかもしれない。

欲しかった株が下がったときに使うかもしれない。

何かあったときの生活を守るために使うかもしれない。

そして、何も起こらなかったとしてもいい。

「何かあっても大丈夫」と思えるだけで、投資を続ける精神的な余裕につながるからだ。

投資というと、株や投資信託を買うことばかり考えてしまう。

でも、投資を続けていると、

「持たない」という選択にも意味がある。

と思えるようになった。

現金は、ただ眠っているお金ではない。

いつでも動けるように待機している。

そう考えると、銀行口座に残っているお金も、少し頼もしく見えてくる。

今日も現金、いい仕事してる。

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