筆者は、服にあまりこだわりがない。
もちろん、裸で出歩くわけにはいかないので最低限は必要だが、「このブランドの服が欲しい」とか「今年の流行を追いかけたい」といった物欲はあまりない。
服を買うときも、
「これでいいか」
くらいの感覚で選ぶことが多い。
ところが、そんな筆者にも妙なこだわりがある。
カバンだけは、ちょっと違う。
なぜかカバンにはお金をかける。
自分でも不思議なくらいだ。
服には興味がないのに、カバンは好き
考えてみれば、服とカバンはどちらも身につけるものだ。
それなのに、筆者の中では扱いがまったく違う。
服は消耗品という感覚が強い。
多少くたびれても、着られればいい。
動きやすければいい。
洗濯しやすければいい。
そんな感じである。
一方、カバンは違う。
毎日のように使うものだからこそ、使いやすさはもちろん、持ったときの気分まで大切にしたい。
そして何より、
「これ、好きだな」
と思えるものを使いたい。
どうやら筆者にとって、カバンは単なる収納用品ではないらしい。
社会人になって買ったカバンを、今でも使っている
そんな筆者には、長年使い続けているカバンがある。
社会人になってから、百貨店で一目惚れして購入したものだ。
価格は確か4万円くらいだった。
当時はブランドそのものを特に意識していたわけではない。
「このカバン、好き」
という気持ちだけで買った。
今思えば、筆者にしてはかなり思い切った買い物だったと思う。
しかし、それから年月が流れた。
気づけば10年近く使っている。
流行に合わせて買い替えたわけでもない。
壊れたから捨てたわけでもない。
ずっと現役だ。
壊れても直して使った
しかも、このカバンにはちょっとした思い出がある。
長く使っているうちに、金具が壊れたことがあった。
普通なら、
「そろそろ買い替え時かな」
となるところかもしれない。
しかし筆者は、自分で直した。
どうしてもまだ使いたかったのである。
今考えると、ここまでして使うのだから、相当気に入っている。
4万円という購入価格だけを見れば、当時は安い買い物ではなかった。
でも、10年近く使っていると考えれば話は変わってくる。
単純計算でも、年間4,000円程度。
もちろん実際には使用年数や修理費などもあるので単純比較はできない。
それでも、「高かったから損をした」とはまったく思っていない。
むしろ、かなり満足度の高い買い物だったと思っている。
節約=安いものを買うことではない
節約について考えるとき、筆者は最近、
「何でも安くすればいいわけではない」
と思うようになった。
もちろん、安く買えるならそれに越したことはない。
ポイント還元を使ったり、セールを狙ったり、固定費を見直したり。
そういう小さな工夫は大好きだ。
でも、すべての買い物で「一番安いもの」を選んでいたら、おそらく疲れてしまう。
そして、本当に自分が欲しいものまで我慢することになる。
筆者はそれが嫌なのだ。
「どうでもいいもの」と「好きなもの」を分ける
そこで、自分にとって重要なのは、
何に価値を感じるのかを知ること
なのだと思う。
筆者の場合、服はそこまで重要ではない。
だから、服にはそれほどお金をかけない。
その代わり、カバンにはこだわる。
カバンだけは、多少値段が高くても気に入ったものを選ぶ。
これは一見すると「節約」とは反対に見えるかもしれない。
しかし、長い目で見ると、むしろ節約につながる部分もある。
どうでもいいものを次々と買わないからだ。
「とりあえず安いから買ってみよう」
という買い物を繰り返すより、
「これは本当に好きだから買う」
と決めたものを長く使う。
そのほうが、結果的に持ち物も増えにくい。
物欲が少ないからできること
筆者はもともと所有欲があまり強くない。
ブランド品をたくさん持ちたいわけでもない。
服も大量にはいらない。
家の中も、私物はかなり少ないほうだと思う。
だからこそ、たまに「これは好き」と思えるものに出会ったときは、無理に我慢しないようにしている。
全部を我慢するのではなく、
「これは自分にとって価値がある」
と思えるものにはお金を使う。
そして、それ以外のところでは無理なく節約する。
筆者にとっては、このバランスがちょうどいい。
高いものを買うことが正解ではない
もちろん、
「カバンは高級品を買ったほうがいい」
と言いたいわけではない。
4万円のカバンが誰にとってもお買い得とは限らない。
1万円のカバンを3年使うほうが満足できる人もいる。
3,000円のカバンを気軽に買い替えるほうが楽しい人もいる。
大切なのは価格ではなく、
自分がどこに価値を感じるか。
ここなのだと思う。
筆者の場合、それがたまたまカバンだった。
人によっては靴かもしれない。
時計かもしれない。
食器かもしれない。
趣味の道具かもしれない。
旅行かもしれない。
「ここだけは譲れない」というものが一つくらいあってもいい。
節約生活でも、好きなものは持っていたい
節約というと、
「何も買わない」
「安いものしか買わない」
「贅沢をしない」
というイメージがある。
でも、筆者が目指しているのは、そういう生活ではない。
お金を貯めるのは好きだ。
資産が増えていくのを見るのも好きだ。
だからといって、好きなものまで全部諦めたいわけではない。
旅行にも行きたい。
家族との経験にもお金を使いたい。
友人とお茶もしたい。
そして、気に入ったカバンも大切に使いたい。
その代わり、興味のないものにはあまりお金を使わない。
このメリハリがあるからこそ、筆者は節約をそれほど苦痛に感じずに続けられているのだと思う。
おわりに
「着るものはどうでもいい。でも、カバンだけにはこだわっている。」
改めて考えると、かなり変なこだわりかもしれない。
でも、こういう小さな「好き」を大切にすることは、節約生活において案外重要なのではないかと思う。
何でもかんでも削る必要はない。
自分にとって価値の低いものは削る。
その分、本当に好きなものにはお金を使う。
そして、買ったものは大切に長く使う。
筆者が10年近く同じカバンを使い続けているのは、結果的にそんなお金の使い方を象徴しているのかもしれない。
節約とは、人生から楽しみを削り取ることではない。
自分にとって大切なものを残すために、そうでもないものを選別すること。
筆者はこれからも、服にはそれほどこだわらず、気に入ったカバンだけは大切に使っていこうと思う。
そして次にそのカバンが壊れたときも……たぶん、また何とかして直すと思う。
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