子育てをしていると、子どもが生まれる前には気にも留めなかった出費が、次々と家計にのしかかってくる。
その代表格が、オムツである。
赤ちゃんが生まれたらオムツが必要。これは知っていた。もちろん、知っていたとも。
しかし、実際に子育てを始めてみると、オムツには想像していなかった仕組みがあった。
サイズアップすると、1パックあたりの枚数が減り、値段も上がるのである。
……え?
枚数が減るのに、値段が上がる?
初めて知ったときの筆者は、顔面蒼白である。
子どもは成長する。成長すれば、当然ながら体も大きくなる。だからオムツのサイズを上げなければならない。
成長は喜ばしいことだ。息子がすくすく育ってくれるのは、親としてうれしい。
うれしいのだが。
家計にとっては、なかなかシビアな話である。
オムツは贅沢品ではない
オムツは、必要だから買う。
節約のために、今日はオムツを使わずに過ごそう。そんな選択肢はない。もちろん、子どもの成長に合わせてトイレトレーニングを進めることはあるだろうが、それは税負担を減らすためにするものではない。
必要な時期には、必要なだけ使う。
それがオムツである。
食費や光熱費と同じように、子育てをするうえで避けて通れない出費なのだ。
ところが、日本の消費税には軽減税率という仕組みがある。
一定の飲食料品などには8%の税率が適用される一方、紙オムツは原則として標準税率の10%である。
粉ミルクについては軽減税率の対象になる。調べてみて、そこは少し安心した。
しかし、ミルクが対象になるのなら、オムツだって対象になってもいいのではないだろうか。
もちろん、税制には線引きが必要だ。何を軽減税率の対象にするかは、財源や制度の公平性なども考えて決めなければならない。
それはわかる。
わかるのだが、毎日使うオムツを買い続けている身としては、どうしても思ってしまう。
せめてオムツは、軽減税率の対象になりませんか?
成長するほど家計に響くオムツ代
先ほども書いたが、オムツはサイズアップすると1パックあたりの枚数が減り、値段も上がることがある。
もちろん、メーカーや商品によって価格設定は異なる。それでも、子どもが大きくなるにつれて、同じ感覚で買い続けるわけにはいかなくなる。
子どもの成長は止められない。
だからといって、親の収入が子どもの成長に合わせて自動的に増えるわけでもない。
子どもが大きくなれば、衣服もサイズアップする。靴も買い替える。食べる量も増えていく。
成長に伴う出費は、オムツだけではないのだ。
そんな中で、オムツのように日常的に必要となる消耗品の税負担を少しでも軽くできたら、子育て世帯にとってはありがたいのではないだろうか。
もちろん、軽減税率になったからといって、子育てにかかる費用がすべて解決するわけではない。
それでも、必要なものを買うたびに発生する負担を減らすことには意味があると思う。
子育て支援というと、給付金や補助金が思い浮かぶ。
そうした支援も大切だ。
しかし、申請して受け取る支援だけではなく、日常の買い物で直接負担を軽くする方法があってもいいのではないだろうか。
そして、ナプキンも対象にしてほしい
筆者は、もうひとつ疑問を抱き続けている。
生理用ナプキンである。
こちらも、日常生活を送るうえで必要な人にとっては、定期的に購入しなければならない消耗品だ。
生理が来たからといって、ナプキンを使わずに過ごすわけにはいかない。
もちろん、月経用品にはさまざまな種類があり、選択肢もある。それでも、必要な人にとって、購入を簡単になくせる支出ではない。
なのに、なぜ標準税率なのだろう。
オムツもナプキンも、必要だから買うものだ。
買うことで特別なぜいたくをしているわけではない。
必要なものを、必要だから買っている。
それなのに、こうした消耗品の税負担を軽くすることはできないのだろうか。
軽減税率の対象を広げれば、制度が複雑になることも、税収への影響があることも理解している。
だから、何でもかんでも税率を下げてほしいと言いたいわけではない。
ただ、生活に欠かせないものをどこまで税制で支えるのか、もっと考えてもいいと思うのだ。
せめて、必要なものくらい
お金の使い方は人それぞれだ。
趣味に使うお金もあれば、旅行に使うお金もある。自分が好きなものにお金を使うことは、生活を豊かにするための大切な選択でもある。
しかし、オムツやナプキンは、趣味の買い物とは少し違う。
必要だから買う。使わなければ生活に支障が出る。簡単に支出をなくすこともできない。
そんな必需品の税負担を軽くすることは、検討する価値があるのではないだろうか。
子どもが成長するのはうれしい。
昨日できなかったことができるようになる。少しずつ大きくなっていく。その姿を見られるのは、親にとって幸せなことだ。
ただ、オムツのサイズアップによって家計への負担まで増えていくのは、できれば遠慮したい。
成長を喜びながら、レジで財布の中身を気にする。
そんな親の気持ちを、税制にも少しだけ考慮してもらえないだろうか。
せめてオムツは、軽減税率対象になりませんか?
そして、ナプキンも。
必要なものを、必要な人が、少しでも負担を抑えて買える社会になってほしい。
筆者はそう思うのである。
